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反りかんな

今回ご紹介するのは、座面をえぐる時に使うのが「反りかんな」という小さなかんな。

かんなと聞くと大多数の方は平形のかんなを思い浮かべますが、この反りかんなは掌に収まるくらいの小さなかんな。かんな台、刃とも丸くなっているので、平カンナとは使う用途が違います。

どんなところを削るというと、ウィンザーチェアの座面です。松本民芸のウィンザーチェアの大きな特徴に、座面のえぐりがあります。

木の座面なのに痛くなく心地よく座れるのには、お尻にフィットするように座面を削り込んであるから。絶妙な曲線になるように丁寧に削り込んでいくのですが、その時に使うのがこの反りかんなです。平型のかんなとちがってかんな台も刃も丸くなっているので、ただスライドするように動かしても削れません。手首のスナップを利かせて削っていく感じです。

座面のえぐり作業中の職人さん。右手の掌に握りしめているのが反りかんなです。

削っている最中は小さな反りかんなを掌で握りしめてしまうので、写真では反りかんな自体は見えないですが、少しずつ座面をえぐるように削ってカーブを作っていきます。絶妙な座り心地の裏にはこのような道具と職人さんの技術があるのです。